超高層・大規模再開発、このまま進めていいの?

池袋を中心に再開発に関する工事が進んでいます。区役所となりの高層マンションは、2棟のうち、新保健所が入った1棟はほぼ完成の姿を見せています。しかし、池袋西口の大規模再開発は、着工の予定が3年のびました。都市計画は決定していますが、補助金はいくらになるか、など不透明な見通しです。

6月17日から7月6日まで開催された第2回定例会においては、条例改正3件と、補正予算が2件など8議案と、請願2件、陳情11件が審査されました。私は今年度は、都市整備委員に所属となりましたので、「豊島区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」の審議に参加しましたが、可決に反対しました。その理由については、反対討論で述べた通りです。以下、討論の全文を掲載します。
議場での反対討論の模様は、以下からアーカイブ視聴できます。
https://www.kensakusystem.jp/toshima-vod/video/R08-honkaigi/R080706-00-5.html
******
第33号議案に対する反対討論
私は、会派を代表して、第33号議案「豊島区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」の可決に反対の立場から討論を行います。
まず、老朽化した建物の建て替えや、快適な歩行空間の確保など、人口密度の本区において、安全・安心のまちづくりを進めていくことは重要な課題と認識し、そのための街の更新や再開発そのものを否定するものではありません。
また、これまで長い時間をかけて計画や検討、議論が重ねられてきた地区計画であり、本条例改正であることも十分認識しております。
池袋駅東口ACD地区および池袋本町地区における地区計画については、反対するものではありません。
一方、池袋駅西口再開発は、委員会質疑でも確認されましたが、A棟約220メートル、B棟約270メートル、C棟約185メートルという3棟の超高層複合ビルを前提とした、極めて大規模な再開発事業です。
本議案は、こうした大規模再開発を前提とした地区計画を建築基準法上の制限として位置付け、その実現をより強く担保するものです。
この計画は、平成27年から検討がされ始めたわけですが、当時と現在とでは、社会情勢、経済状況が大きく変化しています。(平成27年から始まり、令和6年から具体化)
委員会質疑においては、区の答弁で、コロナ禍を経て建築資材価格が大幅に高騰し、容積率緩和の制度があっても「建て替えが難しい」といった声が寄せられていること、また、池袋西口再開発事業は、当初の予定から着工が3年遅れている状況にあること、また、今後この再開発に対し区が補助金等の公的支援を行う考えがある一方、その具体的な財政負担額については現時点で示されませんでした。
7月5日付東京新聞は、「遅れ、高騰、再開発の9割に誤算」との見出しで、東京都内の市街地再開発事業の約9割で工期の遅れや事業費の増加が生じていると報じています。また、事業費についても、認可時より増加した地区が52地区、全体の76%に上るとされています。建設資材価格の高騰や人手不足の影響により、採算性の悪化から計画の見直しを迫られる事例も少なくありません。
こうした状況は、一自治体の努力だけで解決できる問題ではなく、大規模再開発事業そのものが大きな転換点に立たされていることを示しているのではないでしょうか。
従来型の大規模・超高層再開発を前提としたまちづくりを、そのまま制度的に担保していくことが、本当に今の時代にふさわしい選択なのか、私は改めて立ち止まって検証すべき段階に来ていると考えます。
これまでの再開発は、事業を大型化し、保留床を増やすことで収益を確保するモデルが主流でした。しかし、事業規模が大きくなるほど事業期間は長期化し、経済情勢や社会情勢の変化によるリスクも増大します。
いま必要なのは、従来型の大規模・超高層再開発を前提とするのではなく、人口減少社会を見据え、地域コミュニティや住み続けられる環境を重視したまちづくりへと発想を転換することではないでしょうか。それが、多数の区民が望んでいることではないでしょうか。
安心安全なまちの更新は必要です。しかし、それは必ずしも従来型の大規模再開発でなければ実現できるものではありません。
以上の理由から、本議案に反対することを表明し、討論といたします。
4分